beautiful love ★ 俺様boyと天然girl

次の日も。

ホームルームが終わると、文化祭の準備が始まった。

「昨日の続きやろー!」

机を動かして。

段ボールを広げて。

教室の中が、いつもの文化祭前の空気に変わっていく。

「水乃、こっちお願い!」

「はーい」

優希に呼ばれて、飾りつけを手伝う。

「これどこ?」

「窓の上!」

「届かない!」

「椅子使えば?」

「怖いんだけど!」

「じゃあ俺やる」

宗太が横から取って、そのまま貼りつける。

「ありがとう!」

「ジュース1本な」

「なんで!?」

みんなで笑って。

昨日よりも、準備は順調に進んでいく。

その時。

「早手、ちょっと来て」

木南さんの声。

また。

気づけば、そっちを見ていた。

「なに?」

「これ、昨日の続き」

「ああ」

早手が木南さんのところへ行く。

2人で看板を見ながら、何か話してる。

「ここ?」

「違う。こっち」

「え、どこ?」

「だから――」

早手が看板を指さそうとした時。

「待って」

木南さんが、早手の制服の袖を掴んだ。

「…………」

ほんの少し。

ただ、袖を掴んだだけ。

「こっちと、どっちがいいと思う?」

「あー……」

早手は気にした様子もなく、そのまま看板を見る。

「俺はこっち」

「やっぱり?」

「そっちだと文字見えにくいだろ」

「じゃあこっちにする」

「うん」

木南さんの手が、早手の袖から離れる。

「…………」

それだけ。

本当に。

それだけなのに。

「水乃?」

「え?」

「これ持ってて」

「あ……うん」

優希から飾りを受け取る。

でも。

さっきの光景が頭に残る。

木南さん。

前から、あんなふうに早手に触れてたっけ。

「…………」

気にしすぎ。

袖くらい。

友達だって普通に掴む。

そう思って。

もう見ないようにする。

「水乃、テープ!」

「はい!」

作業に戻る。

だけど少しして。

「早手」

また。

木南さんの声が聞こえた。

今度は見ない。

見ないって決めたのに。

「…………」

結局。

また、そっちを見てしまった。