早手と一緒に帰らなくなって、数日。
最初は、そんなに気にしてなかった。
自主練なら仕方ないし。
学校ではいつも通り話すし。
「水乃、消しゴム」
「え?」
「貸して」
「また忘れたの?」
「忘れた」
「もう!」
こんなやり取りも、いつも通り。
だから。
大丈夫だと思ってた。
「早手」
「ん?」
最近。
木南さんが早手に話しかけることが増えた。
「昨日のことなんだけど……」
「ああ」
「あとで、ちょっといい?」
「……うん」
小さな声。
何の話かまでは聞こえない。
だけど。
“昨日のこと”
その言葉だけが、妙に耳に残った。
「水乃?」
「え?」
隣の宗太に呼ばれて、慌てて振り返る。
「何ぼーっとしてんの?」
「してないよ」
「してたって」
「ちょっと考え事」
「文化祭?」
「……まあ、そんな感じ」
適当に笑って、もう1度前を見る。
早手はもう、木南さんと話していなかった。
考えすぎ。
早手は自主練してるだけ。
木南さんとだって、席が近いんだから話すことくらいある。
そう思ってるのに。
あの日見た光景だけが。
どうしても、頭から離れてくれなかった。
最初は、そんなに気にしてなかった。
自主練なら仕方ないし。
学校ではいつも通り話すし。
「水乃、消しゴム」
「え?」
「貸して」
「また忘れたの?」
「忘れた」
「もう!」
こんなやり取りも、いつも通り。
だから。
大丈夫だと思ってた。
「早手」
「ん?」
最近。
木南さんが早手に話しかけることが増えた。
「昨日のことなんだけど……」
「ああ」
「あとで、ちょっといい?」
「……うん」
小さな声。
何の話かまでは聞こえない。
だけど。
“昨日のこと”
その言葉だけが、妙に耳に残った。
「水乃?」
「え?」
隣の宗太に呼ばれて、慌てて振り返る。
「何ぼーっとしてんの?」
「してないよ」
「してたって」
「ちょっと考え事」
「文化祭?」
「……まあ、そんな感じ」
適当に笑って、もう1度前を見る。
早手はもう、木南さんと話していなかった。
考えすぎ。
早手は自主練してるだけ。
木南さんとだって、席が近いんだから話すことくらいある。
そう思ってるのに。
あの日見た光景だけが。
どうしても、頭から離れてくれなかった。
