気づけば思っていたよりたくさん歩いていて、動物園を出る頃にはすっかりお腹が空いていた。
「……お腹すいたぁ」
「やっぱり言うと思った」
「だっていっぱい歩いたんだもん」
「さっきまであんな元気だったくせに」
「動いたからお腹すいたの!」
「はいはい」
「またそれ!」
早手が小さく笑いながら、私の隣を歩く。
「何食べたい?」
「んー……」
頭の中にいろんな食べ物を思い浮かべる。
「あ、オムライス食べたい!」
「じゃ、オムライスな」
「うん!」
お昼は近くにあったお店に入って、私が食べたかったオムライスを食べた。
たくさん歩いたあとのご飯はいつもよりおいしく感じて、気づけば二人ともあっという間に食べ終わっていた。
そのあとは、ショッピングモールへ。
私のお買い物に付き合ってもらったり、雑貨屋さんを覗いたり。
していることは、今まで早手と何度もしてきたこととそんなに変わらない。
それなのに今日は、いつもしていることまで特別楽しく感じた。
しばらくお店を見て回ったあと、私の好きなアイス屋さんを見つけて、二人でアイスを買った。
近くのベンチに並んで座って、一口食べる。
「ん~、おいしい!」
「よかったな」
「早手のも一口ちょうだい」
「やだ」
「えー、いいじゃん。一口だけ!」
「自分のあるだろ」
「ケチー」
そう言いながら自分のアイスを食べて、ふと隣にいる早手を見る。
動物園に行って、ご飯を食べて、買い物をして。
今日はずっと一緒にいる。
そんな早手の横顔を眺めているうちに、ふと気になった。
「ねぇ、早手」
「ん?」
「早手ってね、なんで私を彼女にしてくれたの?」
「何だよ、急に」
「えー、気になるもん」
だって、早手はすごくモテる。
バスケも上手くて、背も高くて、学校でも人気者で。
女の子から声をかけられているところなんて何度も見たことがあるし、早手のことを好きな子だってきっとたくさんいる。
可愛い子だっていっぱいいるのに。
その中で、どうして私だったんだろう。
付き合えたことはもちろん嬉しい。
ただ、こうして改めて早手と二人でいると、なんとなく気になった。
「早手ってモテるじゃん。バスケも上手いし、人気者だし……早手のこと好きな女の子だっていっぱいいるでしょ?」
「知らねぇ」
「いるよ、絶対」
「だから何」
「だからぁ、なんで私なのかなって」
私がそう聞くと、早手は隣でアイスを食べながら、何でもないことみたいに答えた。
「お前しか興味ないから」
「…………」
え。
「……え?」
「何」
「いや……」
今、なんて言った?
あまりにも普通に言うから、一瞬聞き間違えたのかと思った。
でも早手はこっちを見ることもなく、そのままアイスを食べている。
「……それだけ?」
「それ以外に何があんの?」
「…………」
ないけど。
ないんだけど。
――お前しか興味ないから。
そんなの。
そんな普通の顔で言わないでよ。
こっちは、心の準備なんて何もしてなかったのに。
「……早手って、たまにずるい」
「は? 何が」
「なんでもない」
「じゃあ言うなよ」
本当に分かってない。
私がこんなにドキドキしてることも、自分がどれだけ恥ずかしいことを言ったのかも。
「水乃」
「な、なに?」
「アイス溶けてる」
「えっ!? あっ!」
慌ててアイスに視線を戻す。
溶けかけたところを急いで口に運んでも、さっきから熱くなったままの頬は全然冷えてくれなかった
「……お腹すいたぁ」
「やっぱり言うと思った」
「だっていっぱい歩いたんだもん」
「さっきまであんな元気だったくせに」
「動いたからお腹すいたの!」
「はいはい」
「またそれ!」
早手が小さく笑いながら、私の隣を歩く。
「何食べたい?」
「んー……」
頭の中にいろんな食べ物を思い浮かべる。
「あ、オムライス食べたい!」
「じゃ、オムライスな」
「うん!」
お昼は近くにあったお店に入って、私が食べたかったオムライスを食べた。
たくさん歩いたあとのご飯はいつもよりおいしく感じて、気づけば二人ともあっという間に食べ終わっていた。
そのあとは、ショッピングモールへ。
私のお買い物に付き合ってもらったり、雑貨屋さんを覗いたり。
していることは、今まで早手と何度もしてきたこととそんなに変わらない。
それなのに今日は、いつもしていることまで特別楽しく感じた。
しばらくお店を見て回ったあと、私の好きなアイス屋さんを見つけて、二人でアイスを買った。
近くのベンチに並んで座って、一口食べる。
「ん~、おいしい!」
「よかったな」
「早手のも一口ちょうだい」
「やだ」
「えー、いいじゃん。一口だけ!」
「自分のあるだろ」
「ケチー」
そう言いながら自分のアイスを食べて、ふと隣にいる早手を見る。
動物園に行って、ご飯を食べて、買い物をして。
今日はずっと一緒にいる。
そんな早手の横顔を眺めているうちに、ふと気になった。
「ねぇ、早手」
「ん?」
「早手ってね、なんで私を彼女にしてくれたの?」
「何だよ、急に」
「えー、気になるもん」
だって、早手はすごくモテる。
バスケも上手くて、背も高くて、学校でも人気者で。
女の子から声をかけられているところなんて何度も見たことがあるし、早手のことを好きな子だってきっとたくさんいる。
可愛い子だっていっぱいいるのに。
その中で、どうして私だったんだろう。
付き合えたことはもちろん嬉しい。
ただ、こうして改めて早手と二人でいると、なんとなく気になった。
「早手ってモテるじゃん。バスケも上手いし、人気者だし……早手のこと好きな女の子だっていっぱいいるでしょ?」
「知らねぇ」
「いるよ、絶対」
「だから何」
「だからぁ、なんで私なのかなって」
私がそう聞くと、早手は隣でアイスを食べながら、何でもないことみたいに答えた。
「お前しか興味ないから」
「…………」
え。
「……え?」
「何」
「いや……」
今、なんて言った?
あまりにも普通に言うから、一瞬聞き間違えたのかと思った。
でも早手はこっちを見ることもなく、そのままアイスを食べている。
「……それだけ?」
「それ以外に何があんの?」
「…………」
ないけど。
ないんだけど。
――お前しか興味ないから。
そんなの。
そんな普通の顔で言わないでよ。
こっちは、心の準備なんて何もしてなかったのに。
「……早手って、たまにずるい」
「は? 何が」
「なんでもない」
「じゃあ言うなよ」
本当に分かってない。
私がこんなにドキドキしてることも、自分がどれだけ恥ずかしいことを言ったのかも。
「水乃」
「な、なに?」
「アイス溶けてる」
「えっ!? あっ!」
慌ててアイスに視線を戻す。
溶けかけたところを急いで口に運んでも、さっきから熱くなったままの頬は全然冷えてくれなかった
