beautiful love ★ 俺様boyと天然girl

「……もしかして、水乃ちゃん?」

「…………」

「そう……」

木南が小さく息を吐いた。

「そっか」

「…………」

「なんとなく、そうかなとは思ってた」

「え?」

「早手、水乃ちゃんのこと見る時だけ違うから」

「……何が?」

「目」

「は?」

「他の女の子見る時と、全然違う」

「…………」

そんなこと、自分じゃ分からない。

「水乃ちゃんが誰かと話してる時も、すぐ見てるし」

「見てねぇよ」

「見てるよ」

木南が少し笑う。

「文化祭の準備してる時だって、桜乃くんと水乃ちゃんが一緒にいると、ずっと気にしてたじゃん」

「…………」

「だから、もしかしたらって思ってた」

「じゃあ何で聞いたんだよ」

「ちゃんと知りたかったから」

木南が少しだけ視線を落とす。

「……でも、そっか」

「…………」

「ほんとに水乃ちゃんなんだ」

その言い方が、少しだけ寂しそうだった。

「いつから付き合ってるの?」

「少し前から」

「全然知らなかった」

「まあ……学校じゃ、知らないやつの方が多いと思う」

「そうなんだ」

「別に隠してるわけじゃねぇけど、わざわざ言ってねぇし」

「そっか」

木南がゆっくり頷く。

「だからだったんだ」

「何が?」

「水乃ちゃんと早手って、幼馴染だから仲いいんだと思ってた」

「…………」

「でも、たまにそれだけじゃない感じする時あったから」

少しだけ笑って。

「やっと分かった」

「……そ」

「うん」

それから木南は、少し困ったように笑った。

「じゃあ、無理だね」

「……ごめん」

「謝らなくていいよ」

「私が勝手に好きになっただけだし、早手は何も悪くないよ」

そう言って笑う木南を見ていると、あの日、公園で泣いていた顔が頭に浮かんだ。

「……木南」

「大丈夫」

俺が何か言う前に、木南が言った。

「ほんとに大丈夫だから」

「…………」

「明日からも普通にしてね。変に避けたりしないで」

少し迷った。

でも、ここで俺が避けたら、それはそれでこいつを追い詰めるような気がした。

「……分かった」

「うん」

木南が笑う。

「じゃあね、早手」

そう言って、先に階段を下りていった。

その後ろ姿が見えなくなるまで、なんとなくその場から動けなかった。