「え?二人ってどういう…」
「ただの腐れ縁」
「言い方が悪いよ、柚葉。俺たちは幼なじみなんだ」
「へぇー、そうなんだ!」
なるほど、だから呼び捨てなわけか。
それよりも、柚葉マジで嫌そうなんだけど!
どうして?東条くんが幼なじみとか逆に羨ましいよ!
柚葉は東条くんを無視してお弁当を食べ続けている。
顔はすごく無表情。
うん、なんかすごく怖い。
「で、何の用なの?」
「ちょっと、相沢さん借りて行って良い?」
「…嫌って言ったら?」
柚葉がそう言うと、東条くんの笑顔が何かもっとニコニコしたものに変わった気がする。
その笑顔を見て、柚葉は口角をひきつらせた。
え、何この絶対零度な空気。
わたし、取り残されてるよ!
「はぁ、仕方ないわね。奈津子、気を付けなさいよ」
いやいや、東条くんは王子さまなんだから、そんなのありえないし!
わたしと何も間違いなんて起こすわけないじゃん!
「じゃあ相沢さん、ちょっと話いいかい?」
「もちろん!」
柚葉は一人、大きなため息をついていた。