「ねぇ、一人なら一緒に帰らない?」



あ、これは表向きの顔だ。
あの日のような王子さまスマイルに、心がキュンとする。
騙されちゃ駄目、奈津子!これは罠よ!
わたしは頑張って、つい口元が緩みそうになるのを押さえた。



「なぁ、答えは二つしかないだろ?はいかイエス、だろ?」


「じゃあ、わたしは三つ目の答え、いいえを選ぶ!」


「そんなのねぇから」