「待って!待って!待ってええ!」
涙声で、さっさと100段近くある
階段を駆け上がる友達
朱華ちゃんにむかって叫ぶ。
「もーーーおーそーいー!!」
朱華ちゃんの声が
小さく聞こえる。
かなり、置いていかれてる…。
今日は、神社のお祭りで
小学生にとってこの日だけは
夜遊びしてもいい日♡になっている。
だけどその、神社の階段が
とてつもなく段数が多くて
あたしは疲れずに登れた
試しがなかった。
「芽唯ーーー!早く早くー!」
上をみると、朱華ちゃんは
もう頂上にいて、
あたしはというとまだ半分も
登れてなかった…。