「あたしが言うんだから、そうなの!」
「ほんとに?」
「ほんと!ハルにはきっといい人が現れる!絶対に幸せになれるから!」
行こう!なんて言って俺の手を引っ張る由奈。
俺の手をしっかり握る手は小さかった。それでも、力強く引っ張ってくれた。
「ハル」
「何?」
無理に忘れなくてもいいのか、なんて思って。
いつか美波さんを越えるくらい好きになれる人が現れる。
「幸せになろうね!」
ものすごく笑顔で言うもんだから、思わず笑ってしまった。
付き合いたてのカップルのような台詞。
俺の手を握る由奈の手を、強く強くギュッと握り返した。
「そうだな!」
由奈といれば、幸せになれる気がした。
ーENDー



