「「あ…」」

小さな声でそうポツリと呟いたのは、俺だけじゃなかった。

目の前の女の子は俺を見て何か考えるような素振りを見せたあと

「あっ、ミルクティーの!」

と叫んだ。


「ゆな、誰?」

どうやらこの子は"ゆな"って名前らしい。

この前の自販機の女の子が友達と歩いているのを見つけた。それと同時に、向こうも俺のことを見つけたらしい。


「お名前は?」

「城戸春斗。君は?」

「早井由奈です。よろしくね!」


また会えるような気がしていたけど、こんなに早く、それもこんな人だかりの中で会えるなんて思っても見なかった。

よく見つけたなって。