ーーグィッ。
急に腕を引っ張られて、驚いて目をひらく。
気づいた時には、翔太の腕の中だった。
「……えっ」
驚いて翔太の顔を見上げれば、その顔は怒っていた。
「……お前らさ」
低く、怒りを感じる声にビクッとする。
さっきまで騒いでいた女の子たちもその雰囲気に圧倒されていた。
「さっきから何いってんの?」
「っ……」
「いい加減、うぜぇよ。
お前らに何が分かんの?」
久しぶりにこんなに怒っている翔太をみた気がした。
……私のために怒ってくれてるんだ。
「好き勝手言ってるけどさ、」
一瞬、翔太が私の目をみて笑った。
「俺が、こいつじゃなきゃダメなの。」


