「……柚葉……」 「……?」 名前を呼ばれて、恐る恐る顔をあげる。 目の前に翔太の真顔。 そしてーーー 「熱ある?」 いきなり前髪をあげられて、翔太のおでこが額にあたる。 ちゃんと考えられたのは、翔太の顔が目の前にきてから数秒後だった。 「ななな!?」 目の前に整った翔太の顔。 普通でいられるわけがない。 顔を真っ赤にして叫ぶ。 「ち、ちかい!」 グイッと翔太を押して、一定の距離を保つ。 カサカサと前髪を整えてる翔太。 「熱はないか……」と呟く。