「関口君がどれだけモテるか知ってるでしょ?」
「えっ モテてたの…?」
「はぁぁぁぁぁあ?!」
……怖い。
鬼の形相とは、まさにこのこと。
「ちょっと!彼がどれだけモテるかアンタ本当に知らないの?!」
「そんなに……?」
「――っ 呆れた…!
関口君は毎週誰かしらに告白されてるの!
しかも、答えは決まって『好きな子いるから』って」
「それが何で私に…」
私の問いに、小池さんは更に盛大な溜息を吐いた。
「あのねぇ…」
呆れたように、小池さんは雑巾を床に置き、壁に寄りかかった。
「彼があんなに自分から話しかける女子って、姫野さんだけなのよ?
あんなに分かり易くいるのに、本当に気付かなかったの?」
言いながら、彼女は真っ直ぐな瞳で私を見た。
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