続・捕らわれ姫





私は近づいてくる顔に、息を止めた。



―――もしかして…っ




先生は口付けするように顔を傾けると、私の口を塞ぐ自分の手に口づけた。



「―――っ」




声にならない悲鳴。


私は、身動きできない。




「……おかしいわ。どこにいるのかしら」



声と共に、ヒールの音が遠ざかっていく。


私と先生は身動きせず、足音が消えるのを待った。






「授業、始まってしまいましたね」



そう言った先生は、私の口を塞いだまま、準備室の壁に掛けてある時計を見上げた。



……その前に、手を離して下さい…っ