「先生…っ」 引き剥がそうと体を動かす。 が、先生はびくともしない。 ―――こんな所誰かに見られたら…っ 思った瞬間、足音が聞こえた。 ガタッ 「せん」 「静かに」 カツカツカツ… 人気のない準備室の廊下に、学校に似つかわしくないヒールの音。 私の背中には扉。 目の前にはピッタリ体を合わせる先生。 カチャリ… 先生は私を覆うようにその手で口を塞ぐと、静かに扉の鍵をかけた。 その間もヒールの音は近づき、とうとう、扉を隔てた私の真後ろで止まった。 .