「―――嘘つき」 覗き込むように、私の目を見る先生。 その目に私は捕らわれて、身動きできない。 静まりかえる中、バタバタと大きな足音が聞こえて、先生は私の肩を掴み引き離した。 私も真っ赤な顔を見られないように、慌てて本棚の前に行く。…――と、 「姫いる?」 扉を開けたと同時に、関口君がキョロキョロ私を捜した。 「あっ いたいた! 何だ、まだ掃除してんのかよ? 俺もう部活終わったから一緒に帰ろうぜ!」 何の戸惑いもなく教室の中にドカドカ入ってくる関口君にヒヤヒヤする。 .