「ああ、職員室に来ましたよ」 言いながら、優しく頭を撫でてくれる。 「……中山先生は、絶対先生の事好きだと思う…」 言った私に、先生は吹き出した。 「だと、僕も思います」 ―――瞬間。 先生の背中にパンチした。 「――不安か?」 優しく。でも、その低い声を聞いて、思い出した。 『後戻りは出来ないぞ。 泣いても慰めたりしない。 ―――覚悟しろ』 その言葉を聞いて……それでもそばにいたいと、私は思ったんだ。 「……いえ。大丈夫です」 .