「少し職員室に行ってきます」 先生は、プリントと本を数冊手にすると、そのまま準備室を後にした。 途端に、脳に酸素が行き渡る。 先生……変に思ったかな…? 本棚の埃を落としながら考えるけど。 あの様子だと、いつもと変わらないとも思えて。 答えを出せるわけでもなく、ただ、ひたすら掃除をしていた。 この本棚も、あと少しで片付く。 多分…… 「今週には……」 綺麗になってしまう。 そうなったら―――もう、先生と放課後逢えない。 .