「忍は……木崎の長男だ!

 それをお前なんぞが馴れ馴れしく呼ぶなど…!」

「お祖父様!」


「……二度とここには来るでない!」















……泣いて。


泣いて気づいたら……兄様の車の中だった。




「……ああ。 とりあえず今は俺の部屋に連れてくから。

 じゃあ、後は頼んだ」

ピッ



「に、いさま…」


「……気付いたか?」



どこかに電話していたらしい兄様は、私に気付くと優しく微笑んでくれた。


それを見て、私はまた泣いてしまった。