そんな美しい兄弟愛を、パパとママ、澤田さんは呆れながら見ていた。




「………あの子(守)一生独身ね」


「……間違いないな」


「不憫ですねぇ…」




生温い笑みを向けられながら、私は思ってしまった。



………やっぱり、先生の携帯番号聞けばよかった。


先生の、声が聞きたい。







私は生まれてから今まで、男の子に全く興味無くて。

友達同士の好きな子についての会話は、いつも蚊帳の外。


お兄ちゃんが男の子達を遠ざけてたというのもあるけど……


特別の『好き』という感情を、私は知らなかったんだ。