「忍ちゃんと守ちゃんほどは出来ないけど、なんとか頑張ってるよ」
「……笑うな」
クスクス笑いながら答えると、兄様は恥ずかしそうに頬を優しくつねった。
長男の忍ちゃんと次男の守ちゃんは、有名な進学校に通っていた。
私では到底追いつかない偏差値で、そんな学校に私が行けるはずもなく、この辺では普通の『宮代高校』に入った。
まだ通って4ヶ月だけど、のんびりしてる校風は私向きだと思う。
「困ったことがあったらすぐ言えよ?」
守兄様の優しさが嬉しくて、私はいつものように抱きついた。
「大好きよ、兄様」
「俺も。愛してるよ」
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