続・捕らわれ姫





「………何よ」


「ううん。この間は掃除もしてくれたよね。
 本当にありがとう。助かっちゃった」

ふふっと笑うと、小池さんは頬を赤くして睨んだ。


「先生が喜ぶと思ってしただけで、あんたの為じゃないんだからね!」


「うんうん。分かってるよ。

 先生の為、だもんね」


ズキリと痛む胸。

もう、放課後のあの時間は戻らないんだ……




「……本当に顔色悪いね」


「え… ああ、大丈夫……って言いたいけど、やっぱり少し休んでく」


「その方がいいよ」



余程体調悪そうに見えたらしく、小池さんは心配そうに目の前のドアを開けた。



「失礼しまーす。……て、先生いないじゃん」


彼女が勢い良く開けたけど、保健室の主はいなかった。