「いいわよ」
真顔で私を見た小池さん。
私はすぐさま彼に掴まれていた手を引き離した。
「というわけだから……教室戻っていいよ」
「は?何だよそれ…」
一気に不機嫌になる関口君。
でも仕方ない……
あなたといると色々大変なのよ……女子とか女子とか女子とか……
「まあまあ、女子にしか分からないこともあるのよ。
姫野さんは私が連れてくから安心して」
言って、納得しない関口君を無視して私の手を引いた小池さん。
私は苦笑いでついて行く。
階段を下りて保健室の廊下に出ると、小池さんは掴んでいた手を離した。
「小池さんが一緒してくれて助かった。ありがと」
「……別に。あなたの為じゃないけど…」
小池さんらしいぶっきらぼうな返事に、ちょっと笑ってしまった。
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