「ね、本当に大丈夫だから……むしろ、休み過ぎて授業受けないと」
「……あれ?姫野さん?」
高い鈴のような声。
久しぶりのその声に、思い切り足を止めた。
「何やってるの?」
聞きながら、私の腕を掴む関口君に目を向けると、一瞬で眉間にしわを寄せる。
―――あ。
「いや、あの…」
「何?姫の友達か?」
関口君は小池さんと面識があまりないのか、不思議そうに聞いてきた。
が、小池さんは関口君をよく知っている。
「何してんのよあんた」と言いたげに私を見た。
―――そうだ!
「小池さん、私具合悪くて……もし良かったら保健室に付き合って欲しいんだけど…」
私の言葉に、彼女はチラッと後ろに目を向ける。
そこには、複雑そうな顔で私達を見ている女の子がいた。
多分、前に話していた関口君を好きな友達だろう……。
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