「は…」
消え入りそうな声で返事をしようとした、のに―――…
「俺が取りに行く。そんで、俺から渡す。
それでいいだろ?」
先生の言葉を待たずに、彼は「行くぞ」と私の腕を引き、さっきよりも足早に歩いた。
私は振り返ることなく彼に引かれたまま足を前に出す。
………本当に、終わっちゃったの……?
涙が一筋流れたけど。
きっと、関口君も気付いてるはずなのに……
お互い、気付かないフリをした。
「ちょっとー!2人でどこ行ってたのさ」
教室に戻ると、舞ちゃんが分かりやすく頬を膨らませ私の席で待ってた。
その姿に、思わずホッとした。
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