「姫野さん、」
私の返答を促すような呼びかけに、つい振り向いてしまいそうになる。
……で、も………………
「こいつ病み上がりなんだけど。なんか用っすか？」
私が動けずいると、関口君が嫌悪感丸出しで先生に向かった。
そんな彼の姿に、申し訳なさが生まれる。
「関口君……だいじょうぶだから…」
言っても、私の弱々しい声は説得力がなく。
彼に目を向けると、鋭い瞳で後ろにいる先生を見ていた。
話………しなきゃ……
「休んでいた間のプリントを渡すので、放課後準備室に来て下さい」
至って普通な、教師の言葉。
おかしい部分なんて、端から見てて何もない。
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