「なんだ、三上かよ…」
関口君がゲーッと顔を歪め呟く。
その声を聞いた瞬間。
私の耳はキーンとした甲高い音が鳴り響き、目の前の景色が揺れた。
「……さく…っ」
ぐらつく私の腕を咄嗟に捕まえた舞ちゃんの顔が、焦りに変わる。
それを横目で見て、なんとか笑顔で「大丈夫…」と伝えた。
「姫……まだ本調子じゃないんだろ。
とりあえず掴まれよ」
関口君も、心配そうに顔をのぞき込むと腕を前に出した。
……私、そんなにヤバい感じなの……?
自分じゃわからないけど、関口君と舞ちゃんの目には青白い顔の私が映っていたらしく、力無い笑みは二人に筒抜けだった。
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