「園田社長のお嬢さんか。
もしやまだ忍と…」
「ふふっ
今日久しぶりにお会いしましたわ。忍さんとは。
ですからご心配なさらずに…。
父も会長のお体を心配してましたのよ?
よろしければ、今日早速お会いしたことを伝えますわ」
お祖父様を前に、愛華さんの勝ち気さは変わらず。
私は目の前の彼女に、ただ羨望の目を向けていた。
時間にしたら10分位だろう。
お祖父様はまだ言い足りないような表情のまま、この場を後にした。
途端に、体から力が抜けた。
「……大丈夫か?」
忍兄様がそっと私の背に手を回す。
「大丈夫……少し疲れただけ」
笑顔を作るつもりが、うまく作れずに、兄様は私を見て眉間にしわを寄せた。
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