「ここはお前みたいな女が来る場所ではない。
すぐ消えろ。目障りだ」
「お祖父様!」
そのやりとりを、どこか他人事の様に目に映す私は、すでに心が凍りついて。
さっきまでの、先生への想いも全て、霧のように散り散りになってしまった。
こんな所で何をしてるの…?私は……
そんな私を呼び戻したのは、凛とした、この声。
「お久しぶりでございます。木崎会長」
体が重くなり、指先一つ動かせない中、その声に、瞳が再び色を付けた。
「君は…」
「園田でございます。
忍さんから入院されたとお聞きしましたが……お元気そうで、安堵いたしました」
愛華さんは会った時と変わらない、美しい立ち姿で私の前に出た。
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