「に、さま…?」 私の視界を、その大きな手が覆い隠した。 少し怖くなる。……けど、気付いてしまった。 兄様が、どこを見ていたのか。 ………あの方向は…… 「愛華!」 私の思考を遮る声。 珍しく大きな声を出す兄様に、会場がざわつく。 「……何、どうしたの? あら…? 兄弟で何のプレイ?」 華やかな声がした瞬間、私の視界は明るさを取り戻した。 .