「守は仕事を抜け出せないので、代わりに私が。
守でなくて申し訳ない」
「ふふふっ
忍さんもお医者業で忙しいのでしょう?
まさかお会いできると思わなかったわ。
来て良かった」
陶器のような、白くキメ細やかな肌。
少しつり目のその女性は、軽快な会話と共に微笑んだ。
が、その表情の柔らかさに、少し緊張が取れた。
二人の軽快な会話を聞いていると、親しいのだとわかる。
私はその会話に入ることなく、二人の会話を耳にしていた。
「それで?
今日は守さんの代わりに可愛らしいお嬢さんが一緒なのね?」
いたずらっ子のような瞳で私を見た女性は、次の瞬間、兄様に向かって綺麗な笑顔を向けた。
「ああ、紹介が遅れたね」
兄様も気付いたように苦笑いを浮かべると、私の背中に手を回した。
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