「せん」 「僕は職員室に戻ります。 暗くなる前に帰りなさい」 さっきまでの激しいキスが嘘のように、いつもの先生に戻ってしまった。 体を起こした私を見ることなく、そのまま資料室から出て行く先生。 その後ろ姿を、私は黙って見ているしかなかった。 「先生……」 唇に、首筋に。 薄く残る、先生の感触。 確かにあの瞬間、先生は私を求めてくれていた。 でも、今は―――… 「……苦しい…」 .