「何も…」
「保健室にも行かずに?」
「え…、や、本当に…」
「……そんな言葉、信じろって?」
先生の口調が、その表情と一緒にガラリと変わった。
まるで、見知らぬ人を見る様な恐怖心が生まれ、掴まれた手を必死に引きはがそうとするけど。
先生は、分かってるのに離すこともせず、更に力を込めた。
「先生…!」
あまりの痛みに必死に名を呼ぶけど、先生は私を怒り露わに見下ろす。
「―――答えるまで離さない。
アイツと二人で何してた?」
「何もない…!」
「嘘だ」
「嘘なんて言ってない!信じて…!」
「―――…無理だよ」
緊縛した空気が一変、先生は悲しげに目を伏せ答える。
私が嘘をついてると……本当に思ってる。
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