私は、この空間に二人だけというのが落ち着かなくて。
震える足を無理に動かし、席に着いた。
開け放たれた窓からは風が流れてきて。
先生の、いつもの甘い香りが、私の鼻を刺激する。
―――その香りに、余計に緊張してしまう。
「……では、このプリントを明後日までに終わらせて、放課後持ってきて下さい」
「はい、分かりました。
えっと……じゃあ、お先に失礼します」
二人の空気に耐えられず、受け取ったプリントを胸に抱え立ち上がった。
―――が。
「せん…っ」
「風邪はまだ治ってないんですか?」
手を掴まれ、目の前には先生の近すぎる顔。
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