「三上先生資料室ですよね?
今日体調悪くて授業出れなかったので、プリントだけいただきにきました」
「あら、そうなの?
大丈夫?」
差し出された手にドキリとすると、細く華奢なその手は、私の額にたどり着いた。
「……もう大丈夫です」
額に手を当て心配そうに覗き込む中山先生に、少しだけ胸が痛む。
本当に心配してくれてるんだ……。
資料室を前に、私の心の準備なんて気付かない先生は、何の躊躇もなく扉を開けた。
「三上先生、いらっしゃいますか?」
中に入っていく中山先生の後ろから、小さくなりながらついて行く。
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