「もう梅雨か」 「そうだね。後少しで…」 空を見上げると、絵の具で塗られたような青空。 また少し、鼻がツンと痛む。 「……さくらはさ。 もしかして、……三上の事、好きなのか?」 聞かれて…… 私はゆっくり、空から彼へ目を向けた。 「泣いてたのって……何かあったのか? アイツと…」 優しく聞く彼に、私は俯いた。 「好き……なの……… でも……」 それ以上、言葉が見つからなくて。 掴まれてる手に更に力が入った。 .