「えっ ちょっと! だいたーん!」 クラス中が騒ぎ出す中、私達は後ろの扉から廊下に出た。 途端に、さらに騒ぎが大きくなった。 人気のない廊下を足早に歩く彼。それに、必死について行った。 「……大丈夫か?」 辿り着いたのは、屋上。 初夏の日差しに照らされ目を細めた。 「関口君……ここ保健室じゃないよ?」 手は掴まれたまま。 私の呟きに、彼は小さく笑った。 「そりゃそーだ」 言って、その場に座り込んだ彼を真似て私も隣に座った。 .