シークレット・ガーデン



藤沢の小さなビストロでのディナーは、真彩と光俊に恋人時代を思い出させてくれた。


フランスの片田舎をイメージしたという店内のインテリアは赤と茶と白を基調としていて、座り心地の良い椅子、タイミングの良い給仕、美味しい料理に真彩は大満足だった。



手頃な値段で、と言っていたのに、光俊は真彩の好きなフォアグラのポアレをオーダーしてくれた。

ワインを頼まないんだから、いいじゃない、と言って。



食事が終わったら、母に預けている理亜を迎えに行かなければならないから、車で来ていた。


それに真彩は授乳中だから、お酒を飲むのは控えていた。


お店を教えてくれた光俊の後輩へのお礼にレストラン自家製の焼き菓子を買い、夜の藤沢の街を二人で歩く。


美味しいものを食べた満腹感に加え、子育てから一時解放されて久々に味わう自由。


ベージュに白と水色の小花柄がプリントされたシフォンのワンピースは、胸にたくさんフリルが付いた可憐なデザインで、妊娠が分かってからは、ずっと仕舞い込んでいた。