「──おい、眼留!明日の宿題……、」


部屋の扉が勢い良く開かれて、頼人が入って来た。

私は悠介に抱き締められたまま凭れ掛かっている状態で目を開ける。

頼人が硬直するのが見て取れた。

一瞬、時が止まる。


「……、な、何してん、お前ら」

「何って…タイミング悪いな、頼人」


今イイ所だったのに、と茶化すように呟く悠介に、完全に目が覚めた私は自分の状況を思い返す。


「ごめん悠介、私、つい寝ちゃって…、あの」

「いいって。疲れてたんだろ」


よしよし、と背中をさする悠介は、まだ抱き締める腕を緩めてはくれない。

近すぎる距離に遂に居心地が悪くなり始める。

近い、と言って軽く頭を叩くと渋々と悠介は漸く私の身体を解放した。

小さい頃から一緒にいて、いつも側にいてくれた。

昔よりもがっしりとした腕と、広くなった肩幅。

私達は自分で思っている程子供でもないし、大人でもない。