どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて



彼は優しい顔をする。


愛おしそうな表情を浮かべて

見つめてくるその視線は必ず私だけに向いていた。


あの時から、ずっと

それは今も変わらない。


「愛されてた事に気付けなかったのは

私にも弱さがあったからだよ」


不安で不安で仕方なかったあの時


私に強さがあったなら、

きっと別れようなんて言わなかった。


信じられていたら、こうはならなかった。


「だから、お互い様」


もう今は信じられる。

それなら、それでいい。


ぎゅっと、お互いに抱きしめて

温もりを確かめ合って


ぱっ、と顔をあげたら彼は言った。