彼は優しい顔をする。
愛おしそうな表情を浮かべて
見つめてくるその視線は必ず私だけに向いていた。
あの時から、ずっと
それは今も変わらない。
「愛されてた事に気付けなかったのは
私にも弱さがあったからだよ」
不安で不安で仕方なかったあの時
私に強さがあったなら、
きっと別れようなんて言わなかった。
信じられていたら、こうはならなかった。
「だから、お互い様」
もう今は信じられる。
それなら、それでいい。
ぎゅっと、お互いに抱きしめて
温もりを確かめ合って
ぱっ、と顔をあげたら彼は言った。
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