「それなのに、」 「心ちゃん!」 そう考えている私に佐野くんはストップをかける。 そして彼は私の手をぎゅっと握った。 「いいんだよ、無理しなくて 気持ちなんてすぐに忘れられるものじゃない」 「佐野く……」 「ゆっくり時間をかけて少しずつ考えなくなれば それでいいんだから。 あんまり自分を追い詰めたりするなよ」 佐野くんは本当に優しい人だと思う。 そんな人が王子様だったらきっと毎日が幸せで 守ってくれて安心するんだろう。 それでも好きになることは出来ない。 やっぱり恋って残酷なんだ。