どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて



「それなのに、」


「心ちゃん!」


そう考えている私に佐野くんはストップをかける。

そして彼は私の手をぎゅっと握った。


「いいんだよ、無理しなくて

気持ちなんてすぐに忘れられるものじゃない」


「佐野く……」


「ゆっくり時間をかけて少しずつ考えなくなれば

それでいいんだから。

あんまり自分を追い詰めたりするなよ」


佐野くんは本当に優しい人だと思う。

そんな人が王子様だったらきっと毎日が幸せで

守ってくれて安心するんだろう。


それでも好きになることは出来ない。


やっぱり恋って残酷なんだ。