無事でいてくれ。

どうか……前みたいなのはやめてくれ。


「彩花……!」

慌てて扉を開けたら、そこには本を読んでいる彩花がいた。


「彩花……」

「翼、来てくれた!良かった……」


仮病だったと、分かっていながら来たのは俺だった。

せめるつもりもない。


「悪いけど帰る、今日は予定があるんだ」

「嫌だ……!心ちゃんでしょ?行っちゃ嫌だ!!

今日ね本当に調子悪いの、翼くんがいなくなったら私

死んじゃうかもしれない……っ」

引っ張られる手を振り払う。


「もう嘘はつくなよ、

俺は帰るから……」