今は溺れていないのに 酸素をうまく吸えていなくて、苦しい。 私はバックを持って勢いよくドアを出ると 「心!」 星野くんの叫び声を無視して、部屋を飛び出した。 恋っていうのは楽しいものだと思ってた。 それが、両想いになったら もっともっと楽しくなるんだって思った。 だけど…… 「苦しいよ」 実際はそんなにうまくはいかないんだね。 童話のように、幸せに。 そうなるとは限らないんだね……。 目に浮かぶ涙を、私はこぼしながら 家へと帰った。