わざと明るく言った。


「あー翼から何か聞いたな」

「へへっ」


今日、星野君とはまだ話してない。

きっと彼は謝りに来てくれると思うんだけど……


「心。」


ほら、やっぱり。


「なになに、じゃあお邪魔な俺は退散するかね」


星野くんがやってくると、佐野くんは気を利かせて

自分の席に戻って行った。


「昨日はごめん」


「ううん、大丈夫」


毎回、毎回彼にこんな顔をさせてしまうのは私のせいなんだろうか。

私がもっと心よく、上手に送り出せていたら

彼はこんな顔しなかったかもしれない。