これからもうちょっとここでゆっくりして、サッカーして

それで手を繋いで帰りたい。


「星野くん……」

「ん?」


「行って、いいよ」


だけど、私はそう言った。


「何で、いいよ」


だって気になってるって分かるから。

向こうに電話を切られて何があったか分からなくて、心配してる。


その気持ちを無視しようとする事は簡単に出来るけれど

そんな事をしてまで自分だけが楽しい思いをしたくない。


「私は平気、行ってもいいから……」



スムーズには出て来なかったけれどちゃんと言えた。


「行ってもいいよ」