「わりぃ。サンキュー」

ボールを渡すと薄っら笑顔を作る彼

ドキン


と胸が跳ねる


「誠ッ!」



また歩いて行こうとしている彼の背中に
声をかける



他の部員もまだ居ない
先輩のマネージャーさんたちも休み


今、ここには誰もいない

誠と私しかいない


「小学生のとき、誠が私にしてくれた
約束、今でも覚えてる?」


「んだよ」



ちょっとイラついたような声の後に


「ばーか、バカカリン」

いつもの悪口が返ってきた

忘れるわけねーだろ

って呟いた