オレンジとレモン

トットッ、
階段を上る音。



お母さんじゃない。
でも、お父さんも朝は早い。
お兄ちゃんは23歳だし、今の私の家には住んでいない。



――――じゃあ?



ガチャ。
ドアの開く音。


……私の部屋の。




「………はよ」



「………え?!」



嘘だ。
信じられない。



―――――どうして??



ドアを開けて、私の目の前に立ったのは―――








遼だった。