「いや~面白いね、桃花ちゃん」

佐藤が笑った。

いきなり名前呼びですか…。

私も笑い返す。

「宜しくね。俺、佐藤拓海」

「は、はいっ」

私の受け答えに佐藤はまた笑ったー。

そんな感じで友達になれた佐藤だけど…。

一度も話せてないのは、佐藤といつも一緒にいる、立花君。

背は小さく、いつもスマホをいじっているイメージ。

ふわっとした髪型で小顔だからか、犬っぽい雰囲気。

いつも皆に囲まれているけど、騒ぎすぎたりせず、少し大人っぽい。

そんな立花君が…。

「その制服、高丸中学でしょ。俺の妹いってる」

ある日かそう話しかけてきた。

意外すぎて、返答に焦った。

「そ、そうなんだ。妹何部?」

「テニス」

知らないなぁ…。

なんだか、必要以上の事は言わないらしい。

でもそれならなんでいつも皆に囲まれているんだろう…。