純情のち、S彼氏

「はぁぁぁぁあ」

「どったのさ、桃花」

つづがイチゴミルクのブリックパックをちゅうちゅうと飲みながら、さっきからため息のようでなんだか嬉しそうな声を出す桃花に問う。

「いやーさぁ、立花がさ…」

桃花は仕方ないなぁという素振りで話し始めた。 

「あー、付き合い始めたんだよねぇ?確か」

「そうなんだけどさ」

「なんかあったの?」

桃花は、またはぁーっとため息をつく。

「カッコよすぎなんだよね…」

なんじゃい、ノロケかよと鼓は肩を落とす。

「立花があんなにカッコいいと、ほんと心臓持たないよ」

桃花は火照りながらノロケを続ける。

「あの、桃花」

鼓は、優しく桃花に話しかける。

「立花が、好きすぎて、やばい」

桃花は相変わらずノロケるが。

桃花の真後ろに立花がいることを鼓は知っていた。