「ちゃうちゃう。こうだよ」

立花が私の後ろに回り私のシャーペンを持つ手を握り締めた。

「…っ」

「こうして、切片求めて…って、櫻井どした?」

「た、立花が、近いから、その、緊張して…」

な、なに言ってるんだ、私。

立花はその言葉に真っ赤に顔を染める。

「…な、なに言ってんだよ。…っ、で、切片求めたら、この式を求めて…それが、解答」

「あ、ありがとう。ごめんっ」

立花は「バイバイ」と言って教室を出て行った。

私は先生に解答を見せ、ドキドキとうるさい胸に立花の余韻を感じながら帰った。