「うんっ」

優しいなー立花君。

立花君の横顔をジッと見てみる。

目は優しい色。肌はきめ細かくて、少しだけ焼けていて、髪はフワフワしている。

背は低くても、リードを持つ手は私より大きくて。

あれ?なんか、立花君…。

「立花君、どうかした?」

「え?」

「なんだか、悲しそうな目、してたから」

「あ、いや…、前飼ってた犬のこと、思い出して」

優しく笑っているけど、どこか寂しそうな表情。

「前も、飼ってたんだ?」

私もしゃがみこむ。

「うん。でも、マリー飼う二年前くらいに死んじゃって。マリーもいつか死んじゃうなんて考えたくないけど…。ごめん、こんな話して」

立花君はすまなそうな顔をする。